タワーマンション(以下タワマン)って実際に住んでどうなの?
結論からいうと「賃貸がおすすめ」です。
十数年間、東京都心のタワマンに賃貸で住んでいたことがあります。それぞれ違う物件に3回。
個人的に感じたことは低層マンションと比べて老朽化が早いような気がしました。やはり住民の数がものすごく多いためでしょう。
あと、ひとつのタワマンに永遠に住み続けるのではなく、3〜5年くらいで賃貸として住み替えるほうがよさそうです。なぜなら、なんとなく飽きてくるからです。
ということで、今回のテーマは、「タワマンについてのメリット、デメリット」について私自身のリアルな体験談も交えながらお伝えしようと思います。
メリット
駅、バス停から近い
多くのタワマンが駅近または駅直結、バス停の近くにあるので交通の便に恵まれています。
なので「ちょっと出かけてみようかな」とフットワークが軽くなる確率が大。ただ、高層階になればなるほどエレベーターで下まで降りるのが面倒で出不精になる、という人もいるようですね。その点、我が家はいつも低層〜中層階だったので、そんなに億劫になることはありませんでした。
タワマンで有利なのはやはり「駅直結の物件」。雨に濡れることなくあっという間に改札口に着きます。これって超がつくほど便利なことなんですよね。実際この便利さを体験してみると駅から徒歩5分さえ遠く感じてしまうほどです。
人というのは、一度便利なものを体験すると後戻りできないもの。なので資産性はとても高いです。ただ、設備や内装にやや手抜きがちらほら。特に賃貸用の部屋。それが唯一残念なところですが、それでも駅直結という利便性のほうがずっとありがたいんですよね。
当然、賃貸(特に1LDK)需要も高いのですぐに埋まってしまいます。
24時間ゴミ出しOK
地下または各フロアにゴミステーションがあり、24時間ゴミ出しができます。
以前、戸建に住んでいたことがあるのですが、その頃の一番の悩みが「ゴミ出し」でした。隣組という何軒かがまとまり、順番にゴミの当番をするのです。
なのでタワマンのゴミ出しは本当に助かります。特に働いている人にとってはありがたい設備のひとつです。
クリニック、スーパー、コンビニ、クリーニングなどがある
コンビニ、スーパー、ドラッグストア、クリーニングもたいてい近くにあるので、生活に困ることはありません。台風、強風、大雨になると「住んでいてよかった」と実感します。
買ったものをすぐに部屋に持ち帰る。これってものすごくラクですよ!想像以上に!
特に高齢者や子育て中の人にとっては助かっていると思います。
夏の虫(G)を見たことがない
ありがたいことにタワマンに住んでいた間、一度も遭遇することはありませんでした。
戸建や低層マンションのときは出ていたので、これはどう考えてもタワマンのおかげだと思います。ただ将来、配管やディスポーザーの経年劣化とともに出没するかもしれませんが・・
デメリット

エレベーターの到着が遅い
低層階、(中層階がある場合も)、高層階とに分かれていて、それぞれおよそ20階分あるのですが、やはり到着するのに時間がかかります。特に高層階。
なので、働いている方は通勤時間帯のエレベーター待ちは覚悟しておいたほうがよいでしょう。
24時間換気の音
実際に住んでみてはじめてわかった「24時間換気の大きな音」。
ゴーッという音がしているので敏感な人にとっては気になると思います。
手動でオフにできますが(マンションとしては推奨されていないけど)、室内の空気がよどんできてしまうので、結局はまたつけることになります。
低層マンションに住んでいたときには、この24時間喚起の大きな音に悩まされたことはありませんでした。なので、やはりこれは高層マンション特有の問題です。

この件に触れている不動産関連の本や記事って一度もみたことがないんだけど・・。音に敏感なHSPや頭痛持ちの人は気をつけてね。
網戸なしの住戸に要注意
低層階だと虫の侵入を防ぐために網戸がついてきます。ところが高層階になると網戸がついていません。そのボーダーラインの階が18〜20階。
網戸がついていないとものすごく不便です。なぜなら網戸なしで窓をあけっぱなしにしていると虫の侵入は避けられないから。
また、物件によっては構造的に後付けできなかったりするので注意してください。
実際に住んだことがありますが、網戸がついていないために開けっぱなしができない・・。うーん、小さな虫ってどこからか飛んでくるんですよね。

低層階で網戸のない部屋はNGです
角部屋以外、すべて「ひとつの方角」

タワマンの全間取りを見れば一目瞭然。東ならすべての部屋も全部東向き、西なら全部西向き、角部屋だけ二方向。ということで、ほとんどの住戸がたったひとつの方角のみなのです。
たとえば、南にすべての部屋が並んでいる場合、暑い夏には北側のような涼しい部屋がないため、逃げ場がないということになります。
ちなみに玄関側(通路側)に窓のある部屋があれば、一応、ひとつ方角が増えることになります。ですが、マンションの通路側なのでプライバシーの問題もあり、ずっと窓を開けたままにしておくには抵抗があります。
なのでこの場合、明かり取りとして、または換気で開けるという程度に考えておいたほうがいいでしょう。
共用施設、ムダになるかも
ゲストルームを予約しようとしたら、なんと1ヶ月後まで予約でいっぱいなんてことがありました。
また、ライブラリーという自習室があったのですが一回しか使っていません。なぜかというと、飲み物の持ち込みがNGだったから。結局は自宅でコーヒーを飲みながら勉強したほうが効率がよかったというワケです。
ただ、家族が多く、一人で集中して勉強や仕事がしたいという人には便利です。
共用施設といっても使わない住人にとってはムダで、管理費がもったいないということになります。
強風のためベランダがデッドスペース
強風にさらされるタワマンのベランダ。なので、安心して洗濯物を干すことができません。なので、室内干しか洗濯乾燥機を使うかのどちらかになります。
もちろん、プランターも危険。ちなみに掃き出し窓は汚れやすいのでこまめな掃除が必要です。
せっかくあるベランダですが、残念ながら使い道はほとんどありません。エアコンの室外機を置くためのスペースと割り切っておいたほうがいいでしょう。
電波が悪いときがある
意味不明の電波トラブルが1年ほど続いたことがあります。通話中に「プツッ」と自然と回線が切れてしまうのです。
スマホ会社(KDDI)、マンション管理のほうに相談しても一向に解決できない・・・
ちょうど諦めた頃に電波状態が安定(遅い!)。原因はいまだにわからずじまいでした。
ちなみに「突然、電話回線が切れる」といったトラブルはこのマンションの中にいるときだけ。
マンションの外に出ると普通に通話ができるんです。なので、原因は100%マンション内ということになります。
これってタワマン内で仕事する人にとっては致命的・・。きちんと通話ができるかどうかの確認は必ずしておきましょう。

とはいえ、住んでいる間に突然通信トラブルが起きてしまうかもしれませんが・・
震災エレベーター・リスク
2011年の大震災の日、なんとエレベーターが止まり、そのため住民全員が階段を使うという前代未聞の事態に陥ったことがあります。我が家は20階だったのですが、それでも息切れがするほどかなり体力を消耗。
そして、階段で歩くというのはせいぜい10階までが限界だと思い知ります。高齢者や足腰が弱かったりすると2、3階でもきついでしょう。その後、たまたま低層階の部屋が空室になったとき、すぐに申込んで上から下への引越しをしました。
なんといっても眺望よりも「安全」のほうが大切。そういった基本的なことを再認識させられる貴重な経験となりました。
まとめ
タワマンで一番気にしなければいけないのが「管理状態」でしょう。私が住んでいたある物件では築浅にもかかわらず、すでに修繕積立金についてトラブルが発生していて、途中から「管理費の値上げのお願い」という通達が・・今からこれだと将来どうなるんだろう?と思ってしまいました。
さて、タワマンに向いている年齢層はというと高齢者。買物、コンビニ、クリニック、駅近・・・どれも近距離なのが一番の理由です。ただ、災害でエレベーターが使えなくなった時のことを考えて、低層階に住むのが絶対条件。
他の年代だとやはり賃貸がおすすめです。可能であれば、いろいろなタワマンにお試しに住んでみてはいかがでしょうか。分譲で購入した場合は、将来の修繕費などを考慮して10年以内に住み替えるという方法もありです。
マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく
また、高齢者だけではなく、都心部で働いている人にとってもタワマンは超便利。通勤や買い物などが快適にできるので、時間を効率よく使うことができます。ただ、その場合は将来の動きやすさを考えて賃貸にしておきましょう。
さて、みなさんはどんなタワマンに興味がありますか?
ちなみに私たち夫婦は途中からライフスタイルを二拠点生活へと変更。その際にタワマンの2LDK→1LDKへと引っ越しました。これも賃貸だからこそ、すぐに移動できたわけです。