駐在員の妻(駐妻)が、海外で楽しく過ごすには二つの大切なポイントがあります。
①自分にとってプラスになることをする
②素晴らしい人との出会いを生かす
①「自分にとってプラスになることをする」・・学び(語学学校、学位取得)または仕事(オンラインでのクラウドソーシングなど)やボランティアなどをするなど。
②「素晴らしい人との出会いを生かす」・・素晴らしい人に出会った場合はその人を参考にすること。そうすることで自分も前向きに元気に過ごすことができます。
①だと、自分で決めることなので何とかなります。ただ、②だと人間関係なので「運がいいかどうか」で決まってしまいます。
ただ、人、時間、景色すべてが一期一会。かぎられた時間を思いっきり利用して楽しんだほうがいいですよ。
なので、割り切ることも大切。あまり合わない人とは最低限のお付き合いにとどめておきましょう。
さて、これまでにどんな駐妻さんと出会ってきたのか?をお伝えしていきますね。
学ぶ姿がかっこいい駐妻
身近にかっこよく生きている人がいると自分も元気がでませんか?
私の場合、赴任先に住み始めた頃、夫の上司の奥さん(当時アラサー)がパリへ料理留学している、ということを知りました。そして、彼女がきっかけで私も「学校へいこう」と決めました。
駐在員の奥さんだからといって家にじっとしていなければいけないというルールなんてありません。
今でも、その上司の奥さんに「新しい土地に住み始めたばかりの私に元気とパワーをくださってありがとう」という気持ちです。そして、いつか私もそう思ってもらえるような女性になりたいな、と思いました。
ふだんの生活で、素敵な人に出会える機会なんてそう多くはありません。「いいな、うらやましいな」だけで終わらせないようにしてください。くれぐれも足を引っ張りそうな人には近寄らないように!
駐妻ランチ会にまさかのアレが登場
某大企業の支店長夫人宅でのランチ会。友人に誘われての参加です。コンドミニアムのペントハウスでゴージャスなお家でした。
ランチ会は支店長夫人をトップにずらりと部下夫人たちが並び、その一番最後の列に部外者の友人と私。
他の会社でのランチ会だったのがせめてもの救い(笑)。
「やれやれ、終わった」となったときに、全員リビングルームへ誘導。そこで現地に住んでいる日本人女性が登場し、なんとア○ウェイの販売会がはじまったんです!
結局ひとつ購入するハメになりました。あの閉ざされた空間で、とても自分だけ「買いません」とは言えませんでした。
まさに無言の圧力とはこういうもの。結局「ランチ会はただの呼び込み」だったようです。
***会など人の集まりにはくれぐれもご注意を。
東アジアの駐妻〜プライドが高すぎ?!
あるカレッジでの授業中での出来事。外国で授業を受けるのがはじめて、という東アジアマダム。
教室に入るやいなや、ぐるりと見回し、同じアジア人である私の隣の席につきました。
話はそれますが、この授業を担当している先生はちょっとクセがあり、生徒に対してかなり威圧的。
と、そんなコワーイ先生に彼女がクラスみんなの前でガツーンとひどく叱責されてしまったんです・・・
そして、休み時間になり、私のところにきて大泣きしながら「自分の国では地位が高い。人に怒られたり見下されたりされたことがないので悔しい」って。
結局、メンツを大きく傷つけられたのが悲しかったようで・・。男の子ふたりのお母さん。これから大丈夫?!と思ってしまいました。

そんなの私だって日常茶飯事だぞー!!!
欧州の駐妻〜せっかくの美しさが台無しですよぉ
クラスではさまざまな国からの生徒さんがいました。
その中でもモデルのように背が高く美人な欧州マダム。旦那さんは弁護士。そんなエレガントな彼女がとった「ありえない行動」。
あるとき、私が席につくとサッと寄ってきて、いきなり私のバッグを開けて、中の「タグ」をチェックしたのです。なんのブランドかどうかを・・・
ところが、私のバッグはノーブランド。いちおうタグがついていましたが、ネーミングもどこで買ったのかも覚えていません。
それよりも、人のバッグをいきなりあけてノーブランドだと知るとそのまま立ち去ってしまった、という振る舞いに唖然。
たまに立ち話などをしたことがあり、お互い全く知らない同士ではなかっただけに残念でした。
その後は、私のほうから彼女に近寄らないようにしました。

Beauty is only skin deep!!!(美しいのは見た目だけ)
南米の駐妻〜セレブな「サッポロ一番」
控えめで女性らしい目がぱっちりとした南米マダム。同郷のだんなさんはイケメン国際弁護士。彼女とはプライベートでもお付き合いがありました。
きっかけは、彼女が苦手な長さの単位、「インチと分数」についてどうやら混乱しているようで、自宅に来て教えて欲しいというのがはじまりです。
フィートやインチもなんぞやそれ? 確かにややこしいのはよくわかります。私も同じメートル法の国出身なので・・
頭が疲れたころに、彼女が「ランチを作る」というので、タコスかな?なんてワクワクしていたら・・
なんと、でてきたのは「インスタントラーメン」。(..)
しかも、ご立派なスープ皿に盛りつけられ、トッピングなしの茹でただけの素ラーメン。そしてその超シンプルラーメンをお洒落に(?)フォークとスプーンでいただく、というなんとも奇妙な食べ方。
ところが、昔から馴染みのあるラーメンと違うような気がして「一段と美味しく」感じられたのはなぜでしょうか。笑
まさに器とカトラリーの魔力ですね。食事は食材の良さだけではない、ということを改めて実感させられました。
もし、いつものラーメンを雰囲気を変えてエレガントに食べたい、という方は、ぜひこのようなエレガントなスタイルで食べてみてはいかがでしょうか。トッピングにパセリや粉チーズもよさそうですね。

器マジックでなんでも高級料理に見える
北欧の駐妻〜羨ましすぎる!親身になってくれる会社
北欧から来たショートカットのよく似合う北欧マダム。まだ米国に来て1ヶ月も経っていないにもかかわらず、さっそく「ホームシック」にかかってしまったそうで・・。と、ここまではよくある話。
なんと、夫の上司に頼み込んで、一時帰国することになったとか。もちろん飛行機代は会社持ち。
日本人の私からすると「うらやましすぎ!」
みんなが全員、心や体がパーフェクトではありません。新しい土地に住んでみてはじめて「私には合わない」ということがわかったりします。
多くの日本人駐妻たちはそこをじっと我慢、馴染もうとする傾向があります。それはそれでエライのかもしれません。ですが、体調を崩してしまうと「それこそ会社にとってもロスである」のは明らか。耐えてばかりでは、世の中停滞したまま。
そんなときに、すぐに「なんとかしましょう」と対処してくれた上司、そして奥さんのホームシックの話を素直に上司に相談する旦那さん。最後に、臆することなく「私の不安定な気持ちをなんとかして」と素直に訴える駐妻。
そう、無理しない。がんばらない。ストレスなしで生きるのが一番大切だとわかっている。そんな余裕のある大人の国なんですね。
さいごに
どこの国の駐在妻たちはみんな同じような環境におかれています。
みんなはじめて暮らす土地で、不安なのは一緒。それこそ、いろいろあって離婚、日本に帰国された人もいます。
今でも覚えているのが、帰国後に目にした日経新聞夕刊の「日本に駐在している外国人コラム」。
そこには、「駐在する国で無理に馴染もうとしないことが大切」と書かれていて、まさに「そうだ」と思いました。
というのも私自身、それを頑張ってやってしまい、体調を崩してしまったから。とにかく早くこの国の文化に慣れるようにしよう、と躍起に。ただ、それが「体にとっては大変な負担」となっていました。
すぐに馴染もうと頑張らなくてもいいのです。どうしてもダメなら、その国の言葉さえ学ばなくてもいいですし、開き直ってグルメ三昧など好きなことをすればいいと思います。
ちなみに、海外駐在時に知り合った友人とはその場(その国)限りということがほとんどです。帰国すればほとんどお付き合いが続くことはありません。
そこで知り合った人、時間、瞬間すべてが一度きり。もし帰国後も関係が続いているような人はそれはそれでラッキーだと思います。
私の場合、たまたま学校に通っていて、そこには同じような状況の駐妻と知り合うことができました。料理、インテリア、デザインなどの文化や芸術系学校へいくと国籍豊かな女性が学びにきています。
日本人妻だけで集まっていないで狭い世界から飛び出しましょう。